時は室町。
里見義実(さとみよしざね)は、悪政を敷く山内定包(やまのうちさだかね)を討ち、安房(あわ)の国を平定する。定包を誑(たぶら)かし国を乱した毒婦 玉梓(たまずさ)に死罪を言い渡した義実。玉梓(たまずさ)は義実を恨み、里見家を呪いながら死んでいく。
時は経ち、安房(あわ)の国に敵軍が攻め入る。窮地に陥ちいる里見家。義実は戯(たわむ)れに、里見の姫 伏姫(ふせひめ)が可愛いがっていた犬「八房(やつふさ)」に、敵将を討ち取れば伏姫(ふせひめ)を嫁にやると伝えた。
即座に敵陣に飛び込んだ八房(やつふさ)は敵将の首を獲り里見家は救われる。
その時、伏姫(ふせひめ)は玉梓(たまずさ)の亡霊に襲われていた。伏姫(ふせひめ)の危機を感じ、駆けつけ助けに入った八房(やつふさ)。互いに庇い合い、伏姫(ふせひめ)と八房(やつふさ)は共に倒れる。死の間際、伏姫(ふせひめ)の身体から光が放たれ「八つの玉」となり、天高く八方へ散っていった―――――
同時に玉梓(たまずさ)の亡霊も消えたが、その日より安房(あわ)の国は飢饉に襲われることとなる。
玉梓(たまずさ)の呪いを打ち砕くため、里見の家臣 犬山道節(いぬやまどうせつ)は「玉」を持つ「八人の犬士」を探す旅に出る。
それから十年―――――
道節は大塚村に辿り着き、遂に・・・・・・
導きに呼応するように「八犬士」は動き出す。